<ナスパ>東北電が長野の学校法人に売却 地域への一般開放も検討
東北電力は29日、東日本大震災の揺れで被害を受け、2012年に閉鎖していた宮城県名取市愛島の総合運動施設「名取スポーツパーク」(ナスパ)を、長野県松本市の学校法人「理知の杜(もり)」に売却したと発表した。法人は被災箇所を改修し、運営する私立高の運動施設として活用するほか、地域への一般開放も検討する。
東北電によると、昨年9月に法人側から打診があった。法人が松本市で運営する松本国際高(生徒約570人)の運動部員らだけでなく、地域住民にも使ってもらうという申し出を踏まえて売却先に選んだ。売却額は非公表。
同校の男子サッカー部や硬式野球部は全国大会出場の実績がある。学校法人理事の永原経明校長は「自前のグラウンドがなく、探していた。来年度から本格使用し、地域にも使ってもらえる仕組みを考えたい」と話した。
ナスパは1994年に全施設が完成し、72ヘクタールの敷地に陸上競技場と愛島球場、フットボール場、サブグラウンド、テニスコートがある。東北電は98年から一般開放し、高校野球県大会や2001年みやぎ国体の会場になった。
震災で愛島球場グラウンドが陥没するなどして、東北電は経営悪化を理由に12年6月に閉鎖。県は改修費を最低12億円と試算し、県単独での支出には難色を示していた。
2018年10月30日火曜日 河北新報より